チベスナノート

仙台で物理やってます。更新情報はtwitterをご覧ください。

岡田章『ゲーム理論入門』4章までの個人的まとめ

はしがき ゲーム理論とは、相互作用する主体を扱う数学的理論である。そのため、非常に普遍的であり、あらゆる学問の共通言語になりつつある。またゲーム理論を学ぶことで、他者理解によって利害の対立を超え協力関係を築く理性と感性(ゲームマインド)を育て…

境田太樹 『流体力学: 「流れ」を方程式で表すとは』前半の個人的まとめ

論理展開 1.流体の運動を数式で表す 隙間なく空間中を占有し、決まった形を持たず、力を加えると容易に変形する気体や液体をまとめて「流体」と呼ぶ。流体力学はこの運動を扱う学問である。 流体の運動方程式の導出は、流体を「流体粒子」と呼ばれる微小部分に分…

深谷賢治『解析力学と微分形式』第2章の個人的まとめ

第2章ベクトル場と微分形式 論理展開 回転や発散、勾配は、実は座標変換と相性が悪く不便である。相性がいいように工夫されたのが、微分形式である。 §2.1 今形式的にベクトル場を のように書くと、からへのベクトル場の座標変換は となる。これを用いて、2…

深谷賢治『解析力学と微分形式』第1章の個人的まとめ

第1章:ユークリッド空間上のハミルトンベクトル場 論理展開 §1.1 古典的な世界像においては、ある瞬間における物理状態が決定されれば次の瞬間における状態も決定される。即ちある瞬間における物理状態の変化の割合はその瞬間の状態によって記述される。これ…

芥川龍之介『文芸鑑賞講座』 読書感想文

論理展開 文芸的素質が無ければ、如何な傑作を読んでも無意味である。ただ、文芸的素質の有無はハッキリと決定できるものでは無いので、自身には文芸的素質が自惚れてしまうのが幸福である。 文芸的素質に加え、訓練も必要である。訓練によって鑑賞の程度が…

ベルトランの定理〜地球は宇宙の彼方へと吹き飛ばされないの?〜

先日、サークルの学祭でベルトランの定理についてポスターを書きなさいとお達しが来たので調べましたが、紙面の都合で結構中身を魔改造せざるをえなかったです。勿体ないのでここに原本を置いておきます。物理選択の高校生をイメージして書きました。 1,イン…

菊池寛『我鬼』 読書感想文

あらすじ 電車内に立っている老婆に席を譲らない男に憤慨し、心の中で非難して道徳的優位を感じる彼(≒作者)であったが、しばらくして席が空くと老婆のことを忘れ、自分が先に座ろうとしてしまう。彼は恥入り、「人間は注意を怠ると、忽ち利己的な尻尾を出す」…

司馬遼太郎『燃えよ剣』読書感想文

『燃えよ剣』読書感想文 あらすじ 茨垣編 武州石田村の百姓の子であり、「バラガキ(乱暴者)のトシ」と呼ばれていた土方歳三は、夜這いの際、見回りをしていた比留間道場の六車宗伯を斬ったことで、六車と同門の七里研之助に追われることになる。 出立編 土方ら…

SEKIRO ニンジャヘッズによるプレイ日記 6日目

6日目です。 昨日に引き続き梟戦から。ジャンプ斬りと薬投げのづきのみ狙ってあとはガードを固め続ける。2段階目もひたすらガード。煙幕が厄介だけど飛び回って対処。何とか倒す。影を返すぞ…ニンジャ…殺すべし!!イヤーッ!! 常桜の香木ゲット。お前が折…

SEKIRO ニンジャヘッズによるプレイ日記 5日目

5日目です。 寺までの道を再探索。鐘兵の横道に行っていない場所がある。詰所の鍵を使って槍をゲット。七本槍の人が強い… 叩き落として倒す。 名残り墓の先を進めてみる。黒傘のムジナ。扇とか技書とか売ってる けどたかい!銭袋を消費して扇を買う。忍具ら…

SEKIRO ニンジャヘッズによるプレイ日記 4日目

4日目です。 過去来た場所を再探索してみる。供養集がいた。爆竹ゲット。これがあればもっと鬼形部がラクになったのか… 赤鬼の前にブッダがいた。これがあればもっと赤鬼が…(略 首が無いので殺せんぞみたいな張り紙を見つける。道が分からんかったが幻影を…

SEKIRO ニンジャヘッズによるプレイ日記 3日目

3日目です。 葦名城を進める。サムライがめっちゃ強い気がする。突きを叩き落とすやつが上手く発動しない?アンブッシュでスレイしまくる。途中下に落ちる。上に上がれない… 塩が足りないらしい。感染症対策にも塩は大事らしい。なるほど。小刀?かなんかを…

SEKIRO ニンジャヘッズによるプレイ日記2日目

2日目です。 ローカルコトダマ空間からワープで戻れることに気がついたので葦名城をすすめることに。赤鬼に殺されまくる。心が折れそうだ…。突進が避けれない気がする。 1ゲージ目を暗殺で削って何とか倒す!ハイクを読め!途中老婆が病気になる。すまんな……

SEKIRO ニンジャヘッズによるプレイ日記 1日目

ずっとやりたかったSEKIROをやっと始めました。 ここ半年で私は重篤ニンジャヘッズ(ニンジャスレイヤーという小説のファンのこと)になってしまったので、プレイ日記もニンジャスレイヤーチックになると思います。忍殺語も多用します。 OP、めちゃくちゃ綺…

福岡伸一『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』の個人的まとめ

論理展開 プロローグ 生命はすぐに色褪せるため、本質的にテクノロジーの対象になり得ない。これは「生命とは何か」という根源的な問いに基づいている。 第1章 クリックの「意識とはなにか?」という問いは、現在にも続く生物学の難問の一つである。これを考察す…

1年次(1セメ&2セメ)の講義の感想とアドバイス

(整備中) そろそろ(執筆時1月28日)第2セメスターが終わるので、第1,2セメスターの授業を振り返って感想や後輩へのアイドバスを書きます。ほんとは1セメおわりに書くべきだったと思いますが、当時の自分が思いつかなかったので今まとめて書きます。1セメの…

2023のご挨拶と抱負と計画

新年明けましておめでとうございます 今年もよろしくお願いいたします。 来てしまいました、2023。 2022の振り返りは前の記事でやったので、本記事では2023の抱負をば。 抱負 私の2023の抱負は 何かをやり続ける。そして積極的活動。 のふたつを掲げます。 …

てる『2022年』の個人的まとめ

気づけば12月31日、2022年ももう終わりでございます。最近なかなか更新できていないこのブログですが、1年の振り返りを書きます。 今年あったこと 月ごとに書こうかと思ったのですが、思った以上に覚えていなかったのでまとめて並べていきましょう。 大学入…

「益川敏英『基幹講座 物理学 解析力学』の第6章~第10章(Hamilton形式)」の個人的まとめ

(整備中) 論理展開 第6章 ラグランジアンを変形して、変数をqとpをとる。これはハミルトニアンと呼ばれ、時間並進対称性があるときは、エネルギーと同じである。量子力学では、定義できない位置の微分より運動量の方が本質的である。 ハミルトニアンをqとpで…

阿部龍蔵『物理テキストシリーズ6 量子力学入門』の個人的まとめ

論理展開 第1章 量子力学は解析力学の言葉で記述され、また解析力学とよく似た形式をとる。よって、まずは解析力学を軽く復習しよう。 質点が平衡状態にあるとき、任意の微小の仮想変位に対して、仮想仕事はゼロになる。このアイデアは束縛条件があるときに…

フーリエ解析をお勉強したよって話

色々参考にしたのでそれぞれ記事書くよりかは1本に纏めたいなって フーリエ解析 フーリエ級数展開 三角関数をベクトルと見る時、その内積は0であり、直交するといえる。また、ノルムは√π。これを利用して周期関数を三角関数の無限個の線型和で表そうと言うの…

極座標のラプラシアンを円筒座標経由で出しましたよって話

上手くやると対応関係が見えてきて若干や早かったりする が、それでもツライさんなのだ

扇形円盤の重心の座標(個人用)

(1)長さLの細くて一様な針金を半径Rの円弧状に曲げる。円の中心に原点、針金の中心をX軸が貫くように定める時、重心の座標を求めよ。 (2)この結果を用いて、一様な扇形円盤の重心の座標を求めよ。 物理の積分は文章題感あるよね。積分難しい!

志賀浩二『ベクトル解析30講』の個人的まとめ

第1講 物理の発展の中で生まれた向きと大きさを持つ量であるベクトルは、和とスカラー倍のみの線型性のみが注目され、抽象数学の中に取り込まれた。この性質を持つ数学的対象である「ベクトル空間」から話を始めることとしよう。 第2講 ベクトル空間の公理は加…

田島一郎 近藤次郎共編『改訂 工科の数学④ 複素関数』の個人的まとめ

(せーびちゅー) 1,複素平面 複素平面の諸性質やR^2との対応を学ぶ。境界点や連結の概念に注意。複素平面に原点で接するような(0,0,1/2)中心直径1の球面Rと有限複素平面Cに無限遠点を加えた広義複素平面との1対1対応を考えることができ、この球面を複素球面な…

「畑浩之『基幹講座 物理学 解析力学』の第1章~第5章(Lagrange形式まで)」の個人的まとめ

ゼミに使用した本なので補足、追加要素が大量に入ってます lagrange形式の部分です。 論理展開 第1章 まずはNewton力学の復習をしよう。慣性系とエネルギーについて確認しよう。 最小作用の原理の解説になる。まず、Lagrangianを用いよう。系の性質を表す量…

松本幸夫『多様体の基礎』の個人的まとめ

(整備中) 論理展開 第1章 多様体をざっくり言うと、「どこにでも局所座標があるような空間」 まず、R^n、その上の距離を定義し、開集合と閉集合の基本的な性質を調べる。 次に、R^nから自然に導かれるベクトル空間について復習する。 ここからは、ユークリッ…

砂川重信『物理の考え方1 力学の考え方』の個人的まとめ

論理展開 科学史のスタートとしてコペルニクスの地動説を挙げるところから本書はスタートする。このシリーズ(砂川先生)の特徴として、このように物理や科学の領域で必要な思考や歴史にも少し触れている。 まず、運動の法則の解説から始まる。ガリレイ変換や…

石谷茂『入門入門群論 代数的構造への第1歩』の個人的まとめ

論理展開 第一章 まず半群から議論を始める。半群とは 演算に対して閉じていて 結合律が成り立つ 集合のこと。可換律が成り立つ半群も時に扱う。演算表を作ることにより、単位元が存在する半群も見つけられるだろう。逆元も同様。 第2章 代数系自体の構造を…

内田樹『無作法と批評性』の個人的まとめ

要約 ある政党の議員の非常識さが話題になっている。無作法であることは批評性の表現とみなされ、利益をもたらしているが、無作法である人間の主張は正しいとは限らない。現代日本人は無作法と批評性を混同せず、「批評的でありながら礼儀正しい語り口」を身に…