チベスナノート(移転しました)

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志賀浩二『ベクトル解析30講』の個人的まとめ

第1講

物理の発展の中で生まれた向きと大きさを持つ量であるベクトルは、和とスカラー倍のみの線型性のみが注目され、抽象数学の中に取り込まれた。この性質を持つ数学的対象である「ベクトル空間」から話を始めることとしよう。

第2講

ベクトル空間の公理は加法とスカラー倍である。具体例はR^nや連続関数。ベクトル空間の任意の元を表すのに必要な一次独立な基底の数を次元といい、有限次元と無限次元に分けられる。

あるベクトル空間同士の同型はそれを繋ぐ同型写像の有無によって定義される。同型写像は、「加法してから飛ばすのと、飛んでから加法するのが同じ」であり、「スカラー倍してから飛ばすのと、飛ばしてからスカラー倍するのが同じ」である全単射写像のこと。

この本ではアインシュタインの縮約を用いる。

第3講

あるベクトル空間VからRへの線型写像全体の集合は、これもまたベクトル空間の公理を満たす。この集合を(Vの)双対ベクトル空間という。Vの基底{ei}に対し、V*の基底{ej}は内積をとるとクロネッカーデルタが出てくる。

単純に言うと双対ベクトル空間は列ベクトルに対する行ベクトルみたいなもん。かけると実数が出てくる。

第4講

線型写像の方が色々変化して、引数が固定されてると考えることで、双対ベクトル空間の双対は元のベクトル空間と同型になるとわかる。基底同士の対応を見てみるとV**=V

これにより、どんなベクトル空間も、無味乾燥なものでなく双対ベクトル空間の「線型写像」と考えられるようになった。

我々は変数を増やすという数学的な拡張を行う際に、まず1変数だとみて拡張するという過程をとった。

双対は異なるふたつの数学的対象が互いに同じ原理で規定していることを表す言葉。ベクトル空間の他の例は直線と点。2直線は交点として一点を特定し、2点は1直線を特定する。

第5講

VはV*上の線型写像だった。これを拡張しよう。線型写像を自然に拡張した概念として、V*×V*の上に双線型写像が定義できる。双線型写像全体の集合L2(V*)はベクトル空間を成し、これをVⓍVとかき、2階のテンソル積と呼ぶ。

双線形写像はxⓍy(a,b)=x(a)y(b)のように線形写像の積で表現できる。つまり、xⓍyはVⓍVの元。さらに、V*の基底を{ei}とすると、双線型写像は色々な基底の組(ei,ej)を入れた時にどの値を返すかによってのみ決定される。つまり、これをもとにしてVⓍVの基底を定めることができ、一般にn^2個ある基底の組eiⓍejを基底にとることになる。

第6講

双線型関数の概念を拡張することで、n重線型関数とその集合Ln(V*)が定まり、ベクトル空間を成す。同様にこれをⓍ^nVとかき、n-テンソル空間と呼ぶ。第5講と全く同様にV*のn個の基底の組をこのベクトル空間の基底に取れる。

さらに、n階のテンソルとm階のテンソルテンソル積をとることも可能である。この「積」は結合則は成り立つが、可換ではない。出来上がるテンソルはn+m階なので、全てのn-テンソル空間を足し合わせた空間を考えるのが便利そうだ。(その中で演算が閉じるので)

第7講

上のような空間をテンソル代数と呼ぶ。テンソル代数の中では加法と乗法が考えられ、それに対して閉じている。テンソル代数は多元環であり、次数の概念が入っている。ここで、非可換であり、多項式環とは根本的に異なることには注意しよう。

さて、長い道のりを経て我々はベクトル空間の拡張としてテンソル代数を得た。ただ、これはあまりに自由度が高すぎる。(無限次元だし)

もう少し性質がしっかりしていて、なおかつ有用で「面白い」代数は考えられないだろうか。その答えこそ外積代数である。

さらなる目標へ向け、どんどん進んでいこう。

第8講

イデアルという代数を考えよう。イデアルは部分環であって、元の環との積もイデアルに戻るやつ。具体例は整数環に対する偶数の集まり。

さて、イデアルを用いて類別する。x-y∈Iのときxとyが同値と定め、同値類を元に商集合A/Iをつくる。商集合は代数になる。

[x]+[y]=[x+y]

a[x]=[ax]

[xy]=[x][y]

ただし、well-difindedかどうかに注意。また、元の集合から商集合への標準射影も考えられる。

第9講

今、T(V)/Iが有限次元かつ代数になって欲しい。このような両イデアルIを{(何か)ⓍxⓍxⓍ(何か)}という形の集合とする。(つまり、これを0とする)

このとき、この商代数を外積代数(グラスマン代数)E(V)という。このとき、T(V)からE(V)への標準射影を考えることが出来る。E(V)の積を∧であらわす。つまり、π(aⓍb)=π(a)∧π(b)ということ。

ここで、Ⓧが入ってないやつはそのまま表す。

ウェッジの特筆すべき性質として、x,y∈Vのとき、

x∧x=0,x∧y=-y∧xがある。

第10講

Vの次元をnとすると、∧^kVの次元はnCkである。さらに、kがnよりも大きい時、∧^kVの元は0だけになる。ここで、二項定理を用いると、E(V)の次元は2^nになる。これは有限次元であって非常に嬉しい。

∧^kVの基底には、Vの基底のk個のウェッジを用いることが出来る。

第11講

ここまでの話は全て代数学的な内容であった。私たちは幾何的な側面からもベクトル空間についての話をするため、内積を導入し、長さや角度を一般化することにしよう。

V×V→Rなる写像が、双線型性、同じのふたつだと正、入れ替えても同じなとき、それを内積と呼び、内積が与えられたベクトル空間を計量が与えられたベクトル空間と呼ぶ。

√(同じやつの内積)をベクトルのノルムと呼び、長さの一般化になっている。

双線型性を使うと、内積よりもノルムの積の方が大きいことが分かる。(シュワルツの不等式)これより、内積とノルムからなす角のcosが決められ、角度の一般化が可能。

R^3では内積は成分同士の積の和になっている。

以上のことはよく知る長さ、角度でも成り立ち、一般化出来ていると考えられるだろう。

第12講

角基底のノルムが1で、異なる基底との内積が0となるような基底の取り方を正規直交基底という。計量のあるベクトル空間にはシュミットの直交化法によって正規直交基底が存在することが保証される。

ベクトル空間にどのような内積を入れるかによって、図示の仕方(ベクトル空間の世界を私たちの見えるように写した時の形)は変わることを覚えておこう。

第13講

基底の内積をgijのように書こう。gijには内積の定義よりいくつかの性質がある。逆にこの時、すべてのgijを決める操作はベクトル空間にどんな計量をが入るか決める操作に対応する。

今、「yとの内積をとる」という操作は線形関数と考えることができる。これを同型写像と考えると、VとV*の同型が分かる。(言ってることは列ベクトルに行ベクトルって1対1対応してるよねってことです。)

 

添え字の上げ下げわからん

 

第14講

第15講

R^3には、普通の意味での外積が定義できる。外積については既習だと思うので省略する。結合側が成り立たないことに注意しとこう。

ただ、ホッジスターを考えると普通の外積外積代数に関係があることがわかる。

第16講

ガウスの定理の平面版がグリーンの定理である。

グリーンの定理は座標変換に強い。

第17講

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